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味覚は人それぞれですから、何がおいしくて、まずいか、なんてことは中々いえません。本来は無味無臭の水ならなおさらですが、かつて「おいしい水道水の条件」を発表した公的機関があります。1985年の厚生省の「おいしい水研究会」です。
おいしい水研究会は次の項目で、水道水を評価しています。蒸発残留物/硬度/遊離炭酸/過マンガン酸カリウム消費量/臭気度/残留塩素/水温の7つです。当時の汚染の指標なども含まれているので、現代に通ずるのは、硬度(ミネラル)、遊離炭酸(炭酸ガス)、水温の3つがポイントになりそうです。
ミネラルはカルシウムやマグネシウムなどのことで、水分に含まれる割合を硬度といいます。おいしい水研究会は硬度10~100mg/lを、美味しい水の条件としました。ミネラルがまったくないと何のまろやかさやコクもなく、味気ない水に感じられます。ただし、多すぎると独特のクセが好まれないことが多いようです。
硬度が100mg/l未満の水を軟水、それ以上を硬水と呼びます。日本の水は軟水が多く、ヨーロッパなどでは硬水のほうが多いといわれています。ちなみに、水ラボは30mg/l前後が一番日本人の口に合う水ではないかと考えています。売れ筋のミネラルウォーターが、大体それくらいの硬度なのです。
遊離炭酸とは炭酸ガスのことで、多いとサイダーのようになります。美味しい水の基準は3~30ml/g。炭酸ガスがまったくないよりも、少し含まれていた方が清涼感があるそうです。
また、水温は最高20度以下なら美味しく飲めるとのこと。冷たい水は、カルキ臭などを感じづらく、清涼感もあります。
30年も前に定められた基準ですが、東京都など水道水の味の参考にしている自治体はまだまだあるようです。水道水以外の水にも、良い判断基準になりそうです。
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